会話形式悩み相談ショート

世代別コミュニケーションのポイント①

上司と20代若手社員の会話

上司:「正直に言うと、最近の若い連中が何を考えてるのか、よく分からないんだよ。」

若手社員:「そう言われましても。」

上司:「自分が若い頃は苦労してでも仕事を覚え、長時間働いて当たり前だった。今は…すぐ“効率”や“バランス”ばかり求める。」

若手社員:「一生懸命働きたい気持ちはあります。ただ、無理して疲弊するよりは続けることが大事かと」

上司:「続けるか…確かにすぐ辞める社員もいるからな…。自分の時代は”根性”がすべてだった。辛くても耐えることが美徳だった。今はそれを美徳と感じない若者が多いのかな?」

若手社員:「そうかもしれません。でも、耐えることが悪いこととは思ってません。必要に応じてでしょうか」

上司:「理解しようと思うけど、どうしても噛み合わないんだよな。だから、会話が減っていく。。」

若手社員:「僕は仕事が好きですし、上司の期待にも応えたいので、お互い違うことを認めた上で、どう仕事を進めるか考えたいです。」

上司:「そうだな。君の言う通りかもしれない。少しずつでも、分かり合っていけるといいな。」

若手社員:「はい。これからもよろしくお願いします。」

上司:「よろしくな、頼りにしてる。。。。。」

解説

この後、上司の人は、若手社員とのコミニケーションを円滑に取れそうでしょうか?

おそらくこの上司の方が、若い頃には同じように「最近の若い者の考え方はわからん」と言っている人はきっといたのではないでしょうか。逆にそれが一般的かとも思います。

そう考えると、この上司は明らかに思い込みがあると思いませんか?

上司の心の声として

私は若者が理解できない、最近の若い者の考え方はわからんと言いたい

私の価値観に合わない人とコミュニケーションをとる気はない

根性のあるやつと一緒に仕事がしたいんだ

このような印象を受けるのは私だけでしょうか

昨今、20代の部下とのコミュニケーションに苦しんでいる上司は多いそうです。

今回の会話例のように思い込みがある場合ではなく、本当に理解したいけど、どう接していいかわからないという方へのヒントを解説します。

まず、コミュニケーションの本質とは何でしょう?

→相互理解でしょうか

上司が部下とコミュニケーションをとって得たい目的は何か?

→この場合は企業の利益追求ですかね

企業の利益追求となると、どうしても形を大切にして堅苦しいコミュニケーションになるので、ここは基本となる相手を理解しようと思ってよく聞くことから始めることをお勧めします。利益追求の概念は信頼関係ができてから取り組んでも良いのではないでしょうか。勿論時と場合によりますが。

確かに今は時代の移り変わりとともに、コンプライアンスの問題やセクシャルハラスメントの問題など、デリケートな課題が多くて、下手にコミュニケーションを取ることによって危険になる場合もあるので、コミュニケーションが億劫になると言うのは理解できます。

だからこそ、堅苦しいコミュニケーションはお互いの理解より溝を作りがちです。ですから、時間があるのなら急がば回れ精神

ここで大切になってくるのは、その人の価値観や行動を探り理解すること、この目的から外れないように言葉を選ぶことです

上司と部下の関係であればこそ聞けることがあります。どうして今の職業を選んだのか、どのような経歴で、この先に目指していることはあるのかなど

まずは相手を理解することに努めるのが大事かと

この話のままだと少し抽象的すぎるので、もう少し具体的な価値観を知る質問を提示してみますね

幼い頃に夢中になった遊びや集めたものはありますか?

学生時代一番嬉しかったことは何ですか?逆に辛かったことは?

どうやってそれを乗り越えましたか?

一般的な質問ですが、人の本質が現れやすいです

実際にこのような質問に答えられない人もいます

その場合は、言語化するのに時間がかかるのか、上司との会話に緊張感が高いのかなど、言葉以外のその人柄や特徴をつかむこともできます

人柄や特徴をつかめば、この質問に答えてくれるかを事前に考えてタイミングよく試して見ると良いでしょう

質問を考える際は、自分との共通を探すと楽しくなります

共通を探すには、場所、時間、人がキーワードです

コンプライアンスに引っかかることは絶対ありませんので、臆することなく相手の好きを探して下さい

例としては、お気に入りの場所、行ってみたい場所、お正月はどこで過ごすか、夏休みに必ずたべたい一品、好きなアーチストやキャラクターなど、共通の話題を見つけるのは楽しい作業です

コミュニケーションを楽しむためには自分との共通を探すのが一番の近道ですから、質問を準備しておくのも大切です

そうすると、結局のところ、コミニケーションの質につながるためのコミュニケーションの量が関係してきます

多く質問することが、質につながることを理解できるとやる気も出てきます

様々な話題を振りながら、気持ちよく相手に話をしてもらう姿勢を忘れずに接していくことが理解に繋がります

気取らずちょっとずつ取り組んでみてください

まずは、自分が楽しめるようにする準備から