FとMのダイアローグ12
M
今回のテーマは、『習慣化』について対話していきます。私は習慣化が得意分野ですが、それは、脳が変化を嫌い、現状維持を好む性質があり、急激な変化は全力で拒絶されることを理解しているからだと思っています。Fさんにとって習慣化についてどのように感じているかを自由にお話しいただきたいです。
F
私は自分が習慣化がとても苦手で、自分の意思が弱く飽きっぽいせいだと思ってきました。ですが、今回このテーマで具体的にふりかえってみると長年継続していることも色々あるなと気づきました。続いていることは、今のライフスタイルに無理なく組み込めていて自分にとって意味が感じられていることです。反対に、続かなかったたくさんの失敗は、周りにいいよとおすすめされて試してみたことばかりです。新しいことが楽しく単純な性格ですので人からすすめられたことはまずやってみます。「今やっているよ」からの「続かなかった!(笑)」までがオチでした。何を習慣にするのかの設定方法から伺ってみたいのですが、そもそもどのようなプロセスで決めるとよいのでしょうか?
M
基本的に意思に頼るのは失敗の原因になると思っています。このブログコンテンツでもよくお話しするんですけれども、やはり仕組みと環境が優先です。ただ、内容によってはどうしても続かないものがありますので、その際は諦めることも大事なんじゃないかなとも思っています。試してみて自分の適正に合わないものや納得していないものを習慣化のプロセスで当てはめるのは、おそらく続けることに無理が出ると思うので、ケースバイケースであり、個人差があることは前提条件として心に留めておくべきかと思います。Fさんの新しいことをいろいろ試してみるの考え方はとても大事だと思います。試してみた中で自分が腹落ちして続けたいと思ったものについて、習慣化へのプロセスを歩んでいくというのが正しいんじゃないかなと個人的には思っています。
F
意志に頼って失敗ばかりでしたが仕組みと環境が優先なのですね。最近はモーニング・ルーティンや生活習慣の見直しなど習慣化のメリットが提示されることも多いように思います。これも個人の価値観や状況といったことがありますよね。習慣にしたいことはどのような判断基準で決めるとよいのでしょうか?ケースバイケースの中でも、決めるときの大事なポイントなどはありますでしょうか?
M
人間には本来、「成長欲求」が備わっています。諸説ありますが、これは太古の昔、私たちが厳しい自然の中で生き抜くために、狩猟や採集のスキルを向上させる必要があったからこそ生まれた本能ではないでしょうか。つまり成長とは、生存戦略そのものだったのです。しかし、現代社会には情報が溢れ、何が自分に最適なのかが見えにくくなっています。そんな中で何かを「習慣化したい」と願うなら、単に良さそうなものを選ぶのではなく、「自分がどうなりたいか」という明確な意志を持ち、その理想像に近づくためのプロセスとして習慣を選ぶことが重要です。
ところが、多くの人は「自分がどうなりたいか」を深く考える機会を持てずにいます。職業選択ひとつとっても、周囲の環境やその時の利害関係で決めていることが多いのではないでしょうか。さらに組織に入れば、その組織内の論理や偏った情報に染まってしまいがちです。
このブログのメインテーマでもありますが、私たちは生まれた時から、家族や学校、メディアといった外部環境によって形成された価値観の中で生きています。だからこそ、まずは借り物ではない「自分の意志(どうなりたいか)」を明確にすること。そうして初めて、本当に必要なスキルが見えてきます。そのスキルを獲得するための手段として「習慣」を位置付けることこそが、本質的なポイントなのだと思います。
F
「自分がどうなりたいか」を深く考える機会がもちにくいということに同感です。私自身も各方面の忙しさがピークだったときは目の前のことをクリアすることに必死でした。そうなると思考が浅くなり組織や身近な人間関係の多数論理に委ねたくなるというか、自分の本来の考え方や目標を手放しそうになった時期がありました。けれどもその時期も、価値観が同じ仲間との定期交流だけは続けていたんです。Mさんにお話を伺ってみて、その経験が今の私のスキルですので、これが習慣化ということなのかなと思えました。
M
昨今「習慣で人生を変える」のような情報はよく目にしますよね。確かに習慣を変えると人生が変化していくのは事実ですが、誰かの真似をしてうまくいかない経験をした人は数多くいるのではないでしょうか。人生の方向性が決まっていないのに、歩き方だけ教わっても間違った場所にゴールするだけのような気がしています。ただ、良い習慣を試すことは重要なので自分が納得するものは取り入れてみて、その中で残ったものが自分の価値観の一部ということに気づけると良いですね。また、何かを始めるときは、何かを減らす必要が出てきますので原理原則を理解してから良習慣にチャレンジしてみてください。
ダイアローグとは、単なる情報交換を超え、参加者同士が相手の意見や考えを深く理解し、共感を深めながら、新たな視点や行動の変化を生み出す「対話」を意味します。
組織では、相手と自分との間に「相互理解」と「共通の理解」を築くためのコミュニケーション手法として用いられ、信頼関係の構築や創造性の育成、組織力の向上に繋がります。
組織をマネジメントする立場にある人にとっては欠かせないスキルです。ただ、センスで乗り切っている人が多いと感じる印象もあるので、具体的な対話で学べるように表現してあります。
