矛盾
Aさん: 最近さ、全然時間が足りないんだよねー。1日30時間くらい欲しい。
Bさん: 週末も忙しいって言ってたもんね。何にそんな時間使ってるの?
Aさん: 大学時代の仲間とフットサルしたり、昔の友達との飲み会に行ったり…。もう来月まで予定がパンパンでさ。
Bさん: 青春してるねぇ(笑)。リア充でいいじゃん。
Aさん: まぁそうなんだけど…本当は会社の経理スキルを上げたくて、勉強時間を取りたいんだよ。でもその時間が全然なくて。
Bさん: 平日の夜とか朝とか、隙間時間をうまく使えばいいんじゃない?
Aさん: それだと集中できなくて積み重ならないんだよね。だからもう、睡眠時間削るしかないかな…って思ってる。
Bさん: 待って待って。さっき「フットサルは健康のために必要」って言ってなかった?
Aさん: 言ったよ。ストレス発散にもなるし、体動かさないと不健康でしょ。
Bさん: 「健康のために運動する」時間を確保するために、「健康の要である睡眠」を削るの? それ、なんか矛盾してない?
Aさん: うっ…。言われてみれば、確かに…。
Bさん: どっちも大事なのはわかるけど、今のAさんにとって「一番失いたくないもの」って何なんだろうね?
Aさん: あんまり考えたことないかも…。
「全教科100点」を目指すのをやめませんか?
「あれも大事、これも大事」と抱え込んで身動きが取れなくなる。
これは、真面目な人ほど陥りやすい「矛盾の罠」です。
今回のAさんの矛盾に気づきましたか?
「健康維持が大事」と言って友人とスポーツをしているのに、その時間を守るために「睡眠」という健康の土台を削ろうとしていました。冷静に見ればおかしな話ですが、渦中にいると私たちは平気でこういう選択をしてしまいます。
なぜこうなるのでしょうか?
それは私たちが、「バランスよく全部頑張ること」を良しとされてきたからです。
勉強も、部活も、友達付き合いも。何かを切り捨てると「協調性がない」「努力不足」と言われる。そんな刷り込みが、大人になった私たちの優先順位を狂わせています。
「価値観を明確にする」とは、残酷ですが「何かを捨てること」でもあります。
Aさんの場合、
「昔の仲間との心地よい時間(過去の維持)」
「新しいスキルを身につける時間(未来への投資)」
この2つを天秤にかけています。どちらも正解です。でも、時間は有限です。
もし本気で「変わりたい」と願うなら、一時的にでも「過去」の時間を減らし、「未来」に投資する必要があります。
「10年後の自分は、今日のどの選択に感謝するだろうか?」
迷った時は、こう問いかけてみてください。
全てを手放したくないという思いが、実は一番大切な「今のあなたの健康」や「未来の可能性」を奪っているかもしれません。
友達の誘いを断るのは怖いことです。でも、あなたの人生のハンドルを握れるのは、友達ではなくあなただけです。
もし周りに、忙しさで自分を見失っている人がいたら、正論で正すのではなく「本当はどうなりたいの?」と、その人の心の声を聴いてあげてくださいね。
