FとMのダイアローグ14
M
今回のテーマは、『記録』について対話していきます。私は元々メモが大好きだったのですが、最近少し減っています。メモによる気付きは多くあるので自己成長にも関わると考えていますが、Fさんにとって記録することについてどのように感じているかを自由にお話しいただきたいです。
F
私も元々書くことが好きですね。手帳を書くことが楽しみですし、家族の動静カレンダー、作っておいしかったレシピ集、仕事の研修ノートなどいろいろとあります。プライベートは自由に楽しく、表現の要素が強いです。仕事ではメモの自分ルールがあります。これは先輩の真似をして始めたことで、進捗状況把握と時間管理が目的です。
Mさんのおっしゃるメモによる気づきや自己成長とはどのようなことなのでしょうか?
M
メモとは、過去の自分が現在の自分に残した「思考の種」であり、それを育てるプロセスそのものが成長につながるように感じています。私は感情が動いた時などにもメモをとります。それによって、日々流れていく景色や出来事を、ただ見過ごすのではなく、そこにある「法則」や「本質」を見つけ出すことに繋がるようにも感じています。勿論、進捗状況の把握やリマインド機能としてのメモ、頭の中のモヤモヤや不安を紙に書き出すことで、脳のワーキングメモリが解放するメモなど、一言にメモと言っても幅広く活用できる有効な手段であることは間違いありません。その時に応じて使い分けているつもりではいます。
今回のテーマ「記録」だとメモだけでなく写真なども含まれると思いますが、自然と利用していることが多いと思います。Fさんが無意識に行動している記録に関して言語化するとどんなファクトがあって、どのように解釈していますか?
F
思考の種を育てるという発想は素敵ですね。感情は流れていきやすいので記録しておくという視点にも共感します。私の場合の記録は、好奇心や発想が次々湧いてきてしまうのでそれを整理する意味が大きいです。スマホでも手帳でも、白紙に書き出す方が合っています。これはフォーマットがあった方がいい方もいますし、それぞれだと思います。
書き出すときは場面により分類していますが、どのようなときでも「自分」という項目を作ってあります。仕事など役割によるタスクとは独立させ、気になって調べたいこと、考えたいこと、やりたいことなどを一言で記録してあります。実は、仕事のメモでもそうです。誰からも求められていないけれど「自分」が挑戦してみたいことを書いています。
Mさんは記録に関して、そこにある「法則」や「本質」を見つけ出すということですがどのようにされているのか、もう少し教えていただきたいです。
M
実は私、よく「月の満ち欠け」の写真を撮るんです。今新月に向かっていて、先日の二十六夜が美しかったので写真を撮りました。 惑星の時間軸に触れると、人間の営みのちっぽけさを感じると同時に、私たちもまた、月と同じように「ある一定の法則(リズム)」の中で生きているのだと気づかされます。
記録やメモから「法則」を見つけるというのは、まさにこの「自分という惑星の定点観測」のようなものです。週末、読書をしたり手帳を見返したりしながら「一人会議」を行うのですが、そこで過去のメモを読み返すと、「あ、この時は心がざわついていたんだな」とか「このパターンで思考が進んでいるな」という、自分共通の法則が見えてきます。
メモは単なる記録ではなく、その時の「精神状態」を映す鏡です。そうやって静かな時間に気づきを得て、「思考の種」を育てていく。それが私のやり方です。
Fさんに3つ質問します。メモする際の自分という項目とは価値観に沿った行動という意味となるのでしょうか?
また、詩などをクリエイトする際のタイミングとアウトプットする用具は気分によって変えているのでしょうか?
最後に、私はメモって誰に見せるわけでもないので気軽にできることが一番だと考えていますが、メモ習慣のない方にアドバイスできることはありますか?
F
Mさんの法則を見つけることと重なるかもしれませんが、記録を読み返してみるとその時の年齢や環境との関わりで、考え方や感情に変化があっても自分の軸は驚くほど同じで、何一つ変わっていないことに気づかされます。『繰り返されるテーマ』に意味を見出し、自分記録をもとに価値観に沿った行動をなんとか生み出したいという欲求のためかと思います。
詩などに関しては、人並み超えてぼーっとしている時間が長いですので、そのようなときにイメージや映像や言葉が出てきます。忘れてしまうことが多いので最近はスマホに記録しています。私も気軽にできることが一番だと思います。
メモ習慣のない方は記録によいイメージをもっていないような気がしませんか。アウトプットで残す作業なので、抵抗や面倒があり避けている方。もう一つは、今は検索するとなんでもすぐに出てくる時代なので、記録の経験が少ないような方もいますよね。自ら残していないと体験が流れていっていることに気づけないのではと思います。
意図せずですが、メモ習慣のない方に対して私は相手の発言を目の前で復唱しながら代わりにざっと書いてそれを見せています。同僚とは書いてある一つの記録を参照し追いながら話し合ったりもします。そんな風にしていると記録の文化ができていく気がします。記録が役立つと思えるような共同作業の機会があると、動機付けに繋がるようなこともあるかもしれません。
Mさんは音声入力の記録もされていますよね。私はまだ使いこなせていないのですが新しい記録法という観点から少しお話いただけますか。
M
確かに人は、頭の中で考えているだけでは、常に「今の感情」や「目の前の事実」に意識が向きがちですよね。しかし、記録として客観化し、時間を置いて見返すと、そこに共通項が見えてきます。 それが軸ですよね。一つ一つの出来事は「点」ですが、記録することでそれらがつながり、一本の「線(人生のテーマ)」として認識できるようになりますね。
メモは確かに雑でいいとか、単語だけでいいというふうにハードルを極限まで下げることは、継続するためにも、そして自分の本音(無意識)を捕まえるためにも非常に理にかなっていますね。整った文章を書こうとすると、どうしても「よそ行きの自分」が出てきてしまい、肝心の「感情の動き」や「違和感」が隠れてしまうことがあので誰に見せる訳でもないので気楽に始めることができると良いですね。
音声入力メモは現在も試していることですが、「音声入力で思考を吐き出し、AIで構造化する」という方法は、単なるメモの効率化でなく「思考の壁打ち(外化)」として利用しています。手で書くのと声に出すのとでは、脳の使われ方が違うため、出てくるアウトプットの質も変わってきますので面白いです。良かったら試してみてください。
今回は記録に関してのダイアローグでした。皆さんも気軽に始めて自分の軸を確認できると人生が前に進むかもしれません。参考になれば幸いです。
ダイアローグとは、単なる情報交換を超え、参加者同士が相手の意見や考えを深く理解し、共感を深めながら、新たな視点や行動の変化を生み出す「対話」を意味します。
組織では、相手と自分との間に「相互理解」と「共通の理解」を築くためのコミュニケーション手法として用いられ、信頼関係の構築や創造性の育成、組織力の向上に繋がります。
組織をマネジメントする立場にある人にとっては欠かせないスキルです。ただ、センスで乗り切っている人が多いと感じる印象もあるので、具体的な対話で学べるように表現してあります。
