今この一瞬を生きる
Aさん:はぁ…。今日のランチ、誘ってもらって嬉しいんだけど、正直味がしないかも。
Bさん:え、どうしたの? 何かあった?
Aさん:今朝さ、子どもが着替えの途中で牛乳こぼして…。時間ないのに!って、ものすごい剣幕で怒鳴っちゃったんだよね。
園バスに乗せた後も、泣いてた顔が頭から離れなくて。「なんであんな言い方したんだろ」ってずっとグルグル考えてる。
Bさん:あー、あるある。あの「送り出した後の静寂」が逆にキツイんだよね。反省会が始まっちゃうやつ。
Aさん:そう。でね、考え出すと止まらなくて。「私いつも余裕なくて怒ってばっかりだな」とか、「こんなに怒られて育ったら、自己肯定感低い子になっちゃうかな」とか、「そういえば来週の保護者会も憂鬱だな」とか…。
過去の失敗と未来の心配が一気に押し寄せてきて、もう私、母親失格だなって。
Bさん:気持ちはわかるよ。でもね、今、Aはここにいないね。
Aさん:え? いるよ? 目の前に。
Bさん:身体はね。でも心は「さっきの朝」に行ったり、「来週の未来」に行ったりして、全然「今、この瞬間」にいない。だから苦しいんだよ。人間って、過去と未来を同時に抱えられるほど頑丈にできてないんだって。
Aさん:でも、反省もしないとまた繰り返すし、先のことも考えないと回らないじゃない?
Bさん:本当にそうかな?実は私、最近ある「儀式」をやってるんだ。名付けて「人生リセットの術」。
Aさん:何それ、怪しい(笑)。
Bさん:教えてほしいでしょ(笑)簡単だよ。
「あ、私いま後悔してるな」「先の心配してるな」って気づいたら、『パン!』って手を叩いて、世界を一度終わらせるの。蚊を殺すみたいに。
そして、「はい、今この瞬間、私は新しく生まれました!」って設定にする。
Aさん:新しく生まれたことにするの? さっき怒鳴った記憶はあるのに?
Bさん:記憶はあるけど、「それは前世の私がやったこと」って切り離す感じ。
だってさ、今ここでAがどれだけ深く落ち込んでも、時間は戻せないし、子どもの記憶も書き換わらないでしょ?
変えられるのは、「今、目の前にあるコーヒーを美味しく飲むこと」か、「帰ってきた子どもに最高の笑顔で『おかえり』と言うこと」だけなんだよ。
Aさん:うーん、言われてみればそうだけど…。そんな簡単に割り切れるかな。
Bさん:割り切るんじゃなくて、「一点集中」するの。
「未来の不安」が出てきたら、「それはあとで考えよう」ってシャッターを下ろす。
「過去の後悔」が出てきたら、「はいカット! 終了!」ってハサミで切る。
そうやって余計なものを全部削ぎ落として、「今、ここ」だけに集中するの。
そうするとね、不思議と「ま、いっか。次で挽回すれば」って思えてくるんだよ。
Aさん:「今」だけに集中する、か…。
たしかに私、ずっと頭の中で「まだ見ぬお化け」と戦ってたかも。
Bさん:そうそう。人生って、結局は「今この瞬間」の連続でしかないからね。
今のコーヒーも味わえない人が、未来の子育てなんて楽しめるわけないじゃん?
だから、とりあえず今は、手を叩いてそのパスタを食べることに全集中しなよ(笑)。
Aさん:パンっ
ふふ、そうだね。前世のことは一旦リセットして(笑)、まずはこのパスタを味わうことからリスタートしてみるわ。ありがとう。
その悩み、今この瞬間に必要ですか?
Aさんのように、真面目な人ほど「過去の反省」と「未来の予測」に挟まれて、身動きが取れなくなってしまいます。
しかし、武道やマインドフルネスの世界でも言われるように、私たちがコントロールできるのは「今、ここ」だけです。
もしあなたが、子育てや仕事のミスで心が押しつぶされそうになったら、次の手順を試してみてください。
未来を捨てる(シャッターを下ろすイメージ)
「うまくいくかな?」「良い子に育つかな?」という心配は、一度横に置いてシャッターを下ろします。未来は今の積み重ねの結果でしかありません。
過去を捨てる(ハサミで切るイメージ)
「あんなこと言わなきゃよかった」というフィルムは、ハサミで切ってください。反省は1分で十分。それ以上引きずっても、事態は好転しません。
「目の前のひとつ」に没頭する
洗い物をするなら、お皿を洗う感触だけに集中する。
子どもと遊ぶなら、スマホを見ずに全力で遊ぶ。
掃除もおすすめです。悩む暇がないくらい、目の前の「動作」に入り込んでみてください。
人生とは、長い一本道ではなく、「今」という瞬間のコマ切れの連続です。
さっきまで泣いていても、怒っていても関係ありません。
深呼吸をひとつして。手を叩いて
「はい、今ここから新しい私のスタート!」
切り替える力こそが、しなやかで強い自分を作ります。
私も悩みを引きずるタイプなので、今に集中できるように毎日整えていきたいと思います。
一緒に良い世界にしていきましょう。あなたの悩みが世界を良くする。
