「目標」を捨てて、あなただけの「北極星」と没頭を手に入れよう

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未来を固定しない「漂う」生き方もありますよね。

「5年後の目標は?」

「将来のビジョンは?」

そんな質問に息苦しさを感じることはありませんか?

私たちは「目的地(ゴール)」を決めなければならないと教わってきました。しかし、変化の激しい現代において、ガチガチに決めたゴールは、逆に私たちの可能性を狭める「鎖」になる場合もあります。

本当に豊かな人生を送る人に共通しているのは、ゴールに向かって一直線に走る姿ではなく、「波に漂うように」生きながら、想像もしなかった素晴らしい場所に辿り着く姿です。

漂うといっても、ただ流されるのとは違います。彼らには必ず「北極星」があります。
それは「どこに到達するか(目標)」ではなく、「どの方角へ進むか(指針)」です。

目標は「達成したら終わり」ですが、北極星は決して辿り着けません。
だから、死ぬまで歩き続けることができます。

「今日は東へ進もう」。その方向さえ合っていれば、途中で寄り道をしても、立ち止まっても、それは全て「正解」のルートになります。

では、その北極星(価値観)はどうやって見つければいいのでしょうか?

私は、価値観をこう定義しています。

「価値観とは、自分の文化の中に適応した創造性である」

少し難しくなったので噛み砕いて説明してみます。

私たちは誰もが、生まれ育った環境や歴史、つまり「自分だけの文化」を持っています。その制約や環境の中で、「どうすれば心地よく生きられるか」「どうすれば自分らしくいられるか」と試行錯誤してきたはずです。

その工夫、つまり「あなたなりの環境適応(創造性)」こそが、あなたの価値観なのです。

借り物の言葉ではなく、あなたの歴史の中で培われた「生き抜くための知恵」。それがあなたの北極星です。だから、誰かと比べる必要もなければ、迷う必要もないのです。

具体例的な例をひとつ上げてみます

転校が多く、どこに行っても馴染めなかったBさんの場合

Bさんの文化形成は、 親の仕事の都合で転校を繰り返し、常に「よそ者」扱いの環境で育ちました。すでに出来上がっている仲良しグループに入っていくのが難しく、孤独を感じやすい環境でした。

Bさんの文化への適応は無理にグループに属して媚びるのではなく、「クラスに一人でいる子に話しかける」という戦略を取りました。集団の中での立ち位置ではなく、一対一の深い関係を築くことで、自分の居場所を確保しようとしたのです。

それによって生まれた価値観(北極星)は「個の尊重(一対一の深い対話)」です。
Bさんにとって「みんなで仲良く」という同調圧力は苦痛ですが、「目の前の一人と深く分かり合う」ことには命を懸けられることに気づきました。そして、それはもちろん万人ができることではありませんよね。「広く浅く」ではなく「狭く深く」が、Bさんが生き抜く中で手に入れた、最強の対人スキルであり価値観となりました。

結果、今Bさんは個の尊重という価値観を大切にして、そこから発展した多様性を尊重することで社会に貢献しようとしています。この価値観はどの職業に就いていても共通の真理となりますよね。

北極星(方向)さえ決まっていれば、「いつまでに到達しなきゃ」という焦りが消えます。
すると、どうなるか。
「今、この瞬間」に強烈に「没頭」できるようになります。

「結果」を気にする脳のメモリが解放され、目の前の作業、目の前の人、目の前の景色に100%のエネルギーを注げるようになるのです。
この「没頭」こそが、人生の豊かさの正体です。

目標に縛られていると、想定内の未来しか手に入りません。
しかし、北極星を頼りに、今この瞬間に没頭して漂っていると、思いもよらない潮流(セレンディピティ)があなたを新しい大陸へ運んでくれます。

あなたの文化から生まれた北極星を信じて、ただ今日という日を味わい尽くす。
そんな「漂う生き方」こそが、最も強く、そして美しいと私は思います。

読者の皆さんが人生を振り返ることで、ご自身の文化の中で培った北極星を見つけられるように願っています。

そして、FMC相談室は皆さんと一緒に漂い続ける伴走者になれるよう、これからも精進していきます。