それぞれの見えている世界

先日、ある研修に参加してきた時のことです。そこで聞いた話がとても印象に残り、日々のコミュニケーションについて深く考えさせられました。

人にはそれぞれ、生まれ持ったパーソナリティというものがあります。自由に仕事をしたいタイプ、コツコツと着実に進めたいタイプ、あるいは人間関係を何よりも最優先に考えるタイプなど、その傾向は様々です。

そしてパーソナリティが違うと、目の前で全く同じ出来事が起こっていても、それぞれの「認知」が違うため、感じ方がまるで異なるというお話でした。

その研修のグループワーク中、まさにその事実を目の当たりにする出来事がありました。

私は仕事の任され方として、「大体こんなことをやりたいと思っているから、あとはもう自由にやっていいよ」と言われるのが一番好きです。自分のクリエイティビティを存分に発揮できる余白があることに、大きなやりがいを感じるからです。

しかし、同じテーブルにいた6人ほどにその話をしてみたところ、予想外の反応が返ってきました。大半の人が、「自由にやっていい」という言葉に対して、拒否感や強い不安を抱くと言うのです。

自分にとってモチベーションが上がる最高のフレーズが、他の誰かにとっては苦痛や戸惑いの種になる。その時、自分の感覚がかなりマイノリティなのだという事実<笑>に気付かされました。

同じ言葉をかけられても、受け取り方は人それぞれです。だからこそ、人を導く立場にある者は、自分の基準を押し付けるのではなく、相手のパーソナリティに合わせて「問い」の形を変えて伝えなければなりません。

さらに重要なのは、仕事を任せた後のアフターフォローです。

「今これをお願いしたけれど、もし進める上で少しでも不安になるような点があったら教えてくれるかな」

そうやって、あらかじめ相手の不安をすくい上げる言葉を添えること。自分の感覚だけでコミュニケーションを完結させてしまうと、無自覚のうちに相手に強い不快感やプレッシャーを与えてしまうのだと、今回の研修を通じて深く反省しました。

もし今、社員やスタッフを管理し、誰かに仕事を任せる立場にいる方がいらっしゃったら、ぜひ明日のコミュニケーションからこの視点を生かしていただけるとありがたいです。

自分の「当たり前」を一旦手放し、相手の見えている世界を想像して言葉を選ぶ。そんな少しの工夫と思いやりが、周囲と馴染んで良い仕事をしていくための第一歩になるのだと思います。